私は現在、セパタクローという「足でやるバレーボール」と言われるスポーツをおこなっています。小さい頃から体を動かすことが大好きで、サッカー・バレーボールなどのチームスポーツを経験してきました。大学入学を機に新しいスポーツに挑戦してみたいと思っていたところ、大学の先輩から誘われたことがきっかけでセパタクローを始め、現在に至ります。『空中の格闘技』と称されるほどアクロバティックで迫力があるところに、競技を始めた当初から魅力を感じていましたが、小さく軽いボールを足で操ることの「難しさ」が「やりがい」「面白さ」につながり、競技を始めて11年が経ちました。日本ではまだまだマイナースポーツであるセパタクローで生計を立てることは難しいのが現実で、現在は仕事をしながら選手活動を続けています。大変なこともたくさんありますが、自分の人生に彩りをもたらしてくれるものだと感じています。セパタクローを続けていなかったら出会わなかった仲間や支えてくださる方々、貴重な経験や自分の感情。そのすべてが、自分の人生にとってとても価値のあるものだと感じています。



GO BEYOND な 人
三枝千夏(サエグサチナツ)
セパタクロー選手
そんな競技活動における最大の目標は、2026年愛知/名古屋で開催されるアジア競技大会にて、メダル獲得・日本女子チーム初のファイナル進出です。オリンピック種目ではないセパタクローにとって、アジア競技大会は世界最高峰の舞台。そんな舞台で結果を残し、これまで積み上げてきた時間と自分自身の成長を証明したいと思っています。そして何より、競技活動を続ける過程で大事な決断をするときも、ネガティブになりそうなときも、いつも前を向かせてくれて、サポートしてくださったたくさんの方々への感謝の気持ちを、結果という形をもって伝えられる自分で在りたいです。2018年・2023年と、過去に2度アジア競技大会に出場しましたが、どちらも予選敗退という結果に終わりました。アジア競技大会に限ったことではありませんが、世界の強豪国との試合は、圧倒的な差を突きつけられる瞬間の連続です。技術・パワー・戦略・競技に対する取り組みの差を肌で感じ、悔しさと同時に、自分の限界を感じる時間でもあります。そんな厳しい現実を超え、掲げた目標を達成するために、どんな努力をすれば世界の舞台で競える存在となれるのか、限られた時間の中で具体的に何をしていくべきか、考えることと行動に移すことをやめず、一歩ずつ進んでいきたいと思っています。
国際大会をはじめとする海外活動のなかで最も印象に残っていることは、「セパタクローの強豪・タイではどんな練習をしているんだろう」という思いから、2017年に2週間ほどタイのクラブチームの練習に1人で飛び込んでみたことです。日本にいる時とはまた違う感覚で競技に向き合うことができたり、そもそも自分自身の考え方と異なっていることに気付けたり、新しい環境に飛び込んでみたからこそ初めて知れたことがたくさんありました。さらに、そこで出会った監督やコーチ・選手のみなさんが本当にあたたかく、「またおいで」と声をかけてくれ、これまで何度も練習に参加させてもらいました。何度行ってもまた会いたいと思う、国境を越え、そんな素敵な方々に出会えたことも本当に宝物です。未知の世界に最初の一歩を踏み出すときには勇気と覚悟がいりますが、踏み出した先には新しい価値観や可能性があり、競技に対する自身の視野の広がりも実感しました。この「勇気を持つこと」を、Go Beyonderの理念である「GO BEYOND.=超えていく」と私は考えています。そして私にとって次なるGO BEYONDは、掲げた目標の実現に向け、日本とタイを行き来しながら練習をし、世界を超える力をつけるという挑戦です。世界の舞台で結果を残すためには、世界レベルの環境に身を置き、さまざまな経験を積み重ねる必要があると考えており、その方法のひとつとしてこの決断に至りました。勇気をもって行動を起こした先に、目指している自分や叶えたい目標が現実になると信じ、頑張っていきたいと思っています。そして、同世代や次世代の若い選手たちにも海外での挑戦の意義を伝えたり、この取り組みがこれからの選手たちの挑戦も後押しできるような一助になれば嬉しいです。
GO-BEYONDER No.683

セパタクロー選手
三枝千夏
994年6月24日生まれ、東京都出身。
サッカー・バレーボールの経験を経て、大学入学時にセパタクローを始める。
2026年に愛知・名古屋で開催されるアジア大会にてメダルを獲得することを目標に日々活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/china_624/#
Facebook:https://www.facebook.com/share/1BThNobJ2j/?mibextid=wwXIfr
【国内大会】
2025年4月 第6回全日本クワッド選手権大会 優勝
2024年12月 第35回全日本選手権大会 準優勝
2023年12月 第34回全日本選手権大会 準優勝
2023年6月 第30回全日本オープン選手権 準優勝
2023年4月 第4回全日本クワッド選手権大会 優勝
【国際大会】
2025年3月 ISTAF SEPAKTAKRAW WORLD CUP (インド/パトナ)出場
2023年10月 第19回アジア競技大会(中国/杭州)出場
2022年7月 第35回世界選手権(King's Cup)レグ種目 銅メダル
2018年8月 第18回アジア競技大会(ジャカルタ/パレンバン)出場